ガダーレフ州女子小学校教室建設計画署名式典
平成30年2月27日
ガダーレフ州女子小学校教室建設計画署名式典
2018年2月22日、伊藤秀樹大使は、日本大使公邸において、「ガダーレフ州ガラアルナハル村アルザーラ女子小学校建設計画」および、「ガダーレフ州アルカンズ村カンズ女子小学校建設計画」の、贈与契約書署名式典を執り行いました。
いずれも、対スーダン草の根・人間の安全保障無償資金協力を利用しており、前者は当地NGOである連合平和協会注1)に160,219ドル、後者は当地NGOであるゼイナブ女性開発団体注2)に189,840ドルが、それぞれ供与されました。
スーダン政府は、女子への初等教育や地方の開発に注力しており、日本政府は、その活動を支援しています。伊藤大使は、スーダンに駐箚した三年半で、リバーナイル州、ジャジーラ州、西ダルフール州、白ナイル州、カッサラ州、センナール州、北部州にそれぞ1校ずつ、北コルドファン州に2校と、すでに9校の小学校を引渡しており、10校目となるカッサラ州ニューハルファ郡の女子小学校が、竣工を目前に控えています。
スーダン南東部に位置するガダーレフ州は、天水農業を主産業とする貧しい地域です。女子の約半数が初等教育を受けておらず、女子教育の普及が大きな課題とされてきました。また、既存の校舎は、多くがトタン板を利用して建てられており、骨組みも錆び付き、子どもたちが安心して教育を受けられる環境ではありませんでした。
この度、日本政府は、ガダーレフ州の二ヶ所の女子小学校に対して、教室、職員室およびトイレを新設することにしました。
現在のカンズ女子小学校校舎 現在のアルザーラ女子小学校トイレ
署名式典には、二つのNGO代表者、HAC注3)NGO局副局長、アブデルハフィーズ・アルサーディグ連邦教育省国務大臣などが出席しました。来賓者からは、男女に対する平等な初等教育の重要性について言及があり、日本政府が先駆者として支援してきたことに対して謝意が述べられました。被供与団体からは、建設後には、教職員を指導し、かつ教科書などの書籍を購入しながら学校運営を支援していく旨、説明がありました。
これに対して伊藤大使は、資源に乏しい日本が教育を重視してきた歴史に言及し、日本政府が、スーダンの教育政策や女性の社会的地位の向上を支援できることを嬉しく思うとともに、女子生徒の数が増加することを希望している旨、述べました。また、離任のため、竣工をこの目で見られないのは残念であるが、二つの小学校が、日・スーダン間の友情の象徴として住民に末長く記憶されることを願うと、伝えました。
伊藤大使のアラビア語スピーチ原本、ならびに英語訳は、それぞれリンクをご覧下さい。
本案件により、ガダーレフ州の女子児童に安全で衛生的な教育環境が提供され、就学率が向上し、貧困の悪循環を断ち切る起点となることが期待されています。
なお、本式典については、Sudan Vision紙(2018年2月26日発行)、Al-Sahafa紙(2018年2月26日発行)など、当地新聞で報道されています。
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注1)United peace organization
注2)Zenab for Woman Development Organization
注3)HAC; Humanitarian Aid Commission人道支援委員会