伊藤大使の北コルドファン州訪問
平成29年2月20日
伊藤大使の北コルドファン州訪問
2017年2月14日、伊藤秀樹大使は、北コルドファン州を訪問し、日本政府のGGP注1による案件を視察しました。伊藤大使の北コルドファン州訪問は、2015年3月、9月に続いて三回目のことになります。
日本政府は、ラハド郡タバルディーヤ村に、コンクリート製の新校舎を建設しました。同村の旧校舎はわらぶき屋根だったため、砂嵐や降雨の際には休校となってしまうだけでなく、倒壊の危険もありました。また、トイレも敷設されていなかったため、野外で用を足しており、衛生面で問題を抱えるとともに、用を足すために自宅に帰った児童が、そのまま戻ってこないこともありました。
今回、日本政府が、新校舎を建設し、トイレを設置したことにより、約168名の児童が、安全で衛生的な環境で学習できるようになりました。
村長、郡長、州教育大臣は、診療所建設(2013年2月)、給水所建設(2011年3月)、他村小学校建設(2013年2月)など、同州における過去の日本政府の支援に言及しながら、伊藤大使の訪問ならびに校舎の建築に対して謝意を表されました。
引渡し式典に出席した伊藤大使はスピーチのなかで、教育に対する住民の情熱がタバルディーヤの木のように力強いことに感銘し、社会の希望や未来である子どもたちの教育を支援できたことを幸せに思う、と述べました。
日本の国旗が描かれた外壁 旧校舎(奥に見えるのが新校舎)
また日本政府は、オンム・ルワーバ郡アッラー・カリーム村に給水施設を建設しました。これまで住民は、地面に掘った穴に雨水を貯めて、そこから水を汲んでいました。水は泥水となり、家畜も利用するため非衛生的でした。また、乾季には水量が減ってしまうため、住民は不安を抱えていました。
今回、日本政府が給水施設を建設したことによって、1万3千人の地域住民に、安全で衛生的な飲料水や生活用水を、安定的に供給することができるようになりました。
村長や郡長は、伊藤大使の訪問ならびに給水所設置に対して謝意を伝えるとともに、教育や保健分野での支援を期待されました。
引渡し式典に出席した伊藤大使はスピーチのなかで、給水施設の建設によって住民に安全な水を提供できたことを嬉しく思い、今後も可能な限り多くのスーダン人に支援を続け、日本とスーダンの友好関係を促進していきたい、と述べました。
清潔な水に歓喜する地元住民 歓迎式典の様子
伊藤大使の北コルドファン州訪問については、当地新聞のAl Rai Al Aam紙(2017年2月17日)で報道されています。
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注1)GGP, Grant Assistance for Grassroots Human Security Projects 草の根・人間の安全保障無償資金協力
注2)タバルディーヤは、スーダンに植生するバオバブの一種で、北コルドファン州の象徴であるとともに、その果実から作られるタバル
ディーというジュースは、スーダンを代表する国民的な飲料です。