当地紙による木下徹書記官インタビュー

当地紙による木下徹書記官インタビュー
-生活向上を通じた平和の定着と、経済制裁の恒久的解除を期待-

 当地Al-Sudani紙(2017年7月7日発行)に、木下徹書記官へのアラビア語によるインタビューが掲載されましたので、その要約を紹介します。


 日本は、経済と産業の発達した、世界でも有数の先進国であり、国際社会で重要な地位を占めている。日本政府は、1956年のスーダン独立以来、二国間関係を発展させてきた。
 弊紙は、日本大使館政務班の木下徹書記官に面会し、日スーダン関係についてインタヴューを行った。

Q.日本政府は、スーダンの政治問題に対して関心を持っていないように見受けられます。国際社会における日本の重要性に鑑みて、その姿勢は十分でしょうか?
A.日本政府は、スーダン人の生活が向上するのを支援し、そのことを通じて平和を促進できると信じている。これは、政治ではなく、社会経済的な側面から、スーダンの平和と安定に貢献するとの考えである。ここで強調したいことは、日本政府の支援に隠された意図はない、ということである。

Q.2011年以来注1)、スーダンから日本への公的訪問は9回を数えますが、日本からスーダンには2回しか来てくれていません。
A.スーダンにおいてではないが、昨年8月のTICAD VI注2)において日スーダン外相会談が行われている。また、昨年12月にはカマル・イスマイール外務担当国務大臣が訪日され、本年3月には日本にて日スーダン政策対話が開催されている。スーダン要人の訪日は、近年でも少なからず実施されており、将来的にはますます活発化するだろうと期待される。


Q.スーダンにおける日本の投資状況はいかがでしょうか?
A.自動車や医療機器などの分野で、いくつかの日本企業が、スーダンの代理店を通じて事業を展開している。一方、スーダンに事務所や工場を有して活動している日本企業は、タバコ分野で1社、採金分野で2社、医療保健分野で1社にとどまる。これには、スーダンに対する米国の経済制裁が影響している。来る7月13日に、制裁が恒久的に解除されることを期待している。その暁には、日本企業も、スーダンへの投資や取引をもっと真剣に検討するようになるだろう。

Q.米国の制裁解除が日本の対スーダン投資に与える影響はいかがでしょうか?
A.2017年1月に制裁の緩和が発表されたことは、良いニュースである。7月12日までに米国がどのような判断をするかは予見できないが、制裁は現在でも送金に影響を与えている。オーバーコンプライアンスが送金の妨げになることを経験しているので、制裁が恒久的に解除された際の銀行の反応には注目している。制裁の解除は、スーダンと海外のビジネスにとって、良い環境をもたらすであろう。

Q.湾岸危機について、日本政府はどのような考えをお持ちでしょうか?
A.日本政府として、現在の中東・湾岸地域の状況を懸念しており、注意深くフォローしている。中東の平和と安定には、湾岸協力理事会(GCC注3))の結束が維持されることが不可欠と認識している。日本政府としては、引き続きGCC各国との良好な二国間関係を重視していく。
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注1)南スーダンが独立してから、の意。
注2)TICAD VI, Tokyo International Conference on African Development VI 第6回アフリカ開発会議
注3)GCC, Gulf Cooperation Council。1981年に、防衛・経済をはじめとするあらゆる分野における調整、統合、連携を目的として設立された地域協力機構で、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、オマーン、カタール、クウェートの6ヶ国が加盟している。