当地紙による伊藤大使インタビュー

当地紙による伊藤大使インタビュー
-平和の定着と、経済制裁解除後の投資を期待-

 当地Akhbar Al-Youm紙(2017年4月15日発行)に、伊藤秀樹大使へのアラビア語によるインタビューが掲載されましたので、その要約を紹介します。


Q:日本は、スーダンに対する人道支援には積極的ですが、企業からの投資がほとんどないのはどうしてでしょうか?
A:残念ながら、スーダンで事業を展開している日本企業は、現在のところ、タバコと採金の分野で、それぞれ一社ずつにとどまる。これには、スーダンに対する米国の経済制裁が影響している。しかし、この制裁は、徐々に解除されつつあり、今年の7月には完全に解除されることを期待している。その暁には、日本企業も、スーダンへの投資や取引を、もっと真剣に検討するようになるだろう。
 正直なところ、日本をはじめとする国際社会は、スーダンに対して好ましいイメージを持っていない。私は日本大使として、できる限り、スーダンの真の姿を日本人に伝えていきたいと考えている。


Q:スーダンの真の姿が伝えられていないとおっしゃいました。大使は、スーダンに着任される前は、どのようなイメージをお持ちでしたか?
A:スーダンに対するイメージは、あまり芳しいものではなかった。しかし、スーダンに着任してすぐ、スーダン人が親切で、スーダンが安全な国であることが分かった。ハルツームは、特にそうである。
 日本人に対しては、実際に来て、自らの目で見て欲しいと、常日頃から訴えている。時間はかかるかもしれないが、スーダンの真の姿が伝えられれば、スーダンに対するイメージが変わり、日本企業の投資にもつながって行くのではないだろうか。


 
Q:大使は、スーダン社会の発展を支援することによって、スーダン人同士、また国民と政府との間の信頼関係を醸成させ、スーダンの平和を促進させたいとおっしゃっています。この方法は、例えば政府と武装勢力との間での対話を促すよりも、効果的であるとお考えですか?
A:私は外国の一外交官であり、スーダンの内政問題に介入する意図はない。スーダン人の生活が向上するのを支援し、そのことを通じて、平和が促進できるのではないかと考えている。
 ダルフール、南コルドファン、青ナイルにおいて、少なくとも現状では紛争は終結しており、事態は非常に前向きである。しかし、その平和の果実を人々へと還元し、生活を向上させないと、また紛争状態へと戻ってしまうのではないかと懸念している。



Q:スーダンに対して、政治的な役割を果たすおつもりはありますか?
A:日本はスーダンに対して、政治的な役割をもっと持てるはずだ、という人もいる。我々は、スーダン国内の野党とは、会いもするし、話もするし、国民対話に参加するよう促してもいる。しかし、スーダン国外の武装勢力とのチャネルは持っていない。
 お話ししたように、私の職務は、スーダン人の生活を向上させ、日本人とスーダン人との絆を深くすることである。これは、政治ではなく、社会経済的な側面から、スーダンの平和と安定の実現に貢献すると考えている。
 日本政府の支援に、隠された意図はない。政治意図は持たない。これが日本政府の方針である。


Q:最後に、スーダン人へのメッセージをいただけますか?
A:日本大使として、できる限りスーダンの各地を訪問して、日本政府による支援をこの目で確かめるように努力している。これは自分の責務であると考えている。スーダンの全18州のうち、すでに16州を訪問しており、訪問先では皆さんが手厚く歓迎してくれる。水、保健、農業などの分野における日本政府からの支援に満足していただけているようで、嬉しく思う。日本大使としてだけでなく、一人の人間としても、大変嬉しい。
 なにより大切なのは希望である。人々が、明日は今日より良くなるとの希望を持ち続ければ、平和を進めることができる。日本政府は、スーダン人が希望を持って生活し、紛争が解決されるよう、彼らを支援し続けていきたいと考えている。