当館のレスリング交流事業

当館のレスリング交流事業


 当館は、生け花、映画上映会、ジャパンデーなどの文化交流や、奨学金プログラム等を通じて、日・スーダン間の友好関係を強化しています。今回は、レスリングを通じた友好親善について紹介します。

 スーダンには、ヌバ・レスリングという伝統的な格闘技があります。日本の相撲と似た競技で、直系20メートル程の土俵で戦い、相手を倒して、腰から上を一部でも地面に触れさせると勝ちです。
 スーダン南部に位置する南コルドファン州のヌバ山地が発祥の地で、3,000年以上の歴史を誇るとも伝えられています。近年は、首都ハルツームでの試合が全国に放送されるようになり、「スーダン・レスリング」の名で、国民的スポーツへと発展しつつあります。

 日・スーダン間のレスリング交流は、2013年2月、ハルツーム州のハッジ・ユースフ・レスリングスタジアムで、当館の室達康宏書記官(当時)が親善試合に参加したことに始まります。外国人がヌバ・レスリングのリングに上がったのは、歴史上初めてのことでした。
 同年5月には、2013年度スーダン・レスリング選手権の開会式典に参加し、700人の観客を前に、再戦しました(ポスターをご覧ください)。来賓として出席した堀江良一前大使は、スピーチのなかで、日・スーダン間のスポーツ交流の重要性を強調し、スーダン人選手にレスリングのユニフォームを寄贈しました。室達書記官は、11月の最終戦までに、6回にわたって親善試合に参戦し(ポスターをご覧下さい)、同月の閉会式典にも招待された堀江前大使は、優勝チームに大使杯を授与しました。
 「サムライ外交官ムロ(室達書記官のニックネーム)」のレスリング参戦は、日本やスーダンのテレビや新聞で報道されただけでなく、BBC注1)、AFP注2)なども現地取材に訪れ、世界的な規模で紹介されました。
 なお、室達書記官の試合の模様は「You Tube」にも投稿されており、「murotatsu sudan」等で検索可能です。また、外務本省ホームページ「外務省員の声」には、同書記官のヌバ・レスリング参戦報告が、四回にわたってまとめられています。 

                
    
                      第4戦目に臨む室達書記官            善戦した第5戦の室達書記官

 その後、当館は、国際交流基金の文化協力主催事業の一環として、2014年11月と2015年2月の2回にわたって、日本から砂川航祐選手をコーチとしてスーダンに招聘しました。砂川コーチは、レスリング全日本学生選手権の元チャンピオンで、世界学生選手権でも5位に入賞した実力者です。同コーチは、スーダンのヌバ・レスリングの選手にオリンピックレスリングの技術指導を行っただけでなく、ヌバ・レスリングの親善試合にも参戦しました(ポスターをご覧下さい)。
 「スナ(砂川コーチのニックネーム)」のレスリング参戦も、日本やスーダンのテレビや新聞で報道されただけでなく、AFPなどによって世界的な規模で紹介されました。砂川コーチの試合の模様は「You Tube」に投稿されており、「sunagawa sudan」等で検索可能です。


                    
                    親善試合に勝利した砂川コーチ            技術指導を行う砂川コーチ

 さらに、2015年6月から7月にかけて、スポーツ外交推進事業の一環として、スーダン人レスリング選手ら5名を日本に招聘し、日本体育大学(以下、日体大)で、オリンピックレスリングの技術を指導しました。10月にはハールーン・スーダン・オリンピック協会会長が訪日し、鈴木大地スポーツ庁長官、福田富昭レスリング協会会長、松浪健四郎日体大理事長、帰国中の伊藤秀樹大使らと会談し、これからの日・スーダン間のレスリング交流について意見を交換しました。
 本2017年2月から3月にかけても、スーダン人レスリング選手ら4名を日本に招聘し、日体大でレスリング技術を指導しています。この時は、室達書記官や砂川コーチらも応援にかけつけ、歓迎会を開きました。スーダン人選手の招聘については、当地新聞のAl-Ray Al-A’am紙(2017年2月9日付)でも報道されています。選手の帰国後、大使公邸で開催された報告会兼夕食会では、レスリング選手や関係者より、当館の支援に対する謝意が伝えられました。
                           

                    
                   スーダン人レスリング選手とコーチ           日体大でのトレーニング風景

 2020年には東京オリンピックが開催され、レスリング種目が公式競技となることが決まっています。レスリング交流を通じて、東京オリンピックで安倍総理が掲げる「Sports for Tomorrow」を推進し、また、多様な文化を持つスーダンが一つにまとまることが期待されます。