伊藤大使の南コルドファン州訪問

平成28年12月21日
伊藤大使の南コルドファン州訪問


 2016年12月13日から15日、伊藤秀樹大使は、南コルドファン州の首都カドグリを訪問しました。南コルドファン州では、現在でも政府と反政府勢力の間の紛争が終結していません。

 日本政府は、南コルドファン州で、紛争被災民の生活環境や教育環境の再建を支援しており、その実施現場を視察しました。

 モルタ西地区では、日本の国際NGOであるJVC注1)が日本政府の支援を受けて2016年11月に改修を始めたばかりの小学校を視察しました。また、同様に前年に建設された幼稚園の園舎では、同じく日本政府が支援した出生登録支援事業によって出生登録証を取得した園児たちが、自分たちの登録証を持って、大使らを歓迎してくれました。
 伊藤大使はスピーチのなかで、子どもたちは、より良い未来と国の発展のための希望であり、彼らへの支援は大変重要である、とアラビア語で伝えました。


                   
                   小学校内部の様子                     幼稚園舎に集まった子どもたち

 ティロウ地区では、JVCが日本政府の支援を受けて設置・建築した給水施設、共同トイレ、避難民用住居を視察しました。裨益者からの歓迎式典に出席した伊藤大使は、スピーチのなかで、水、衛生、住居は生活に欠かせないものであり、日本の支援は、日本とスーダンの友好関係の確かな証である、と伝えました。
 また、ウンム・バトハ女子学校では、UNICEF注2)経由の我が国支援によって増築された二つの教室を視察し、その後、学校関係者による歓迎式典に出席しました。伊藤大使はスピーチのなかで、教室の増築は小さな貢献ではあるが、教育分野で支援できることを嬉しく思い、この学校から希望を持った子どもたちが多く卒業してくれることを期待している、と述べました。

         
  
                 給水所で水を汲む裨益者                             女子学校校舎

 カドグリは、東西南の三方をなだらかな山に囲まれ、ハルツームと比べると、緑に恵まれた町です。日本政府は、これからもスーダン国民一人一人の声に耳を傾け、また、南コルドファン州に平和が定着することを切望しています。

 なお、本訪問は、Al-Sahafa紙(2016年12月14日)、SUNA紙(2016年12月15日)、Sudan Vision紙(2016年12月17日)など、当地新聞でも報道されています。
                                                                                        
注1) JVC, Japan International Volunteer Center 日本国際ボランティアセンター

注2) UNICEF, United Nations Children's Fund 国際連合児童基金