伊藤大使のカッサラ州訪問
平成28年12月1日
伊藤大使のカッサラ州訪問
2016年11月20日から22日にかけて、伊藤秀樹大使は、カッサラ州を訪問しました。伊藤大使のカッサラ州訪問は、2014年12月、2015年8月に続いて、今回が三回目になります。
日本政府は、農業開発、基礎生活分野、平和の定着の三つの分野を中心にスーダンを支援しており、各分野における日本の支援を視察しました。
1.農業開発
日本政府は、カッサラ州の小農生産者組合や女性グループに対して、日本製のタマネギ乾燥機を贈与し、乾燥タマネギを加工・販売して、ビジネスモデルとして確立できるよう指導しています。
伊藤大使はスピーチの中で、本事業が大きな可能性を秘めており、スーダンの他地域でも事業として広がってゆくことを願っている旨、述べました。これに対して州農業大臣は、日本からの支援を、援助としてではなく、開発のために活用していきたいと、返答されました。
野菜乾燥加工の実演 被供与者に対する伊藤大使のスピーチ
2.基礎生活分野
カッサラ州では、日本人専門家が州の水公社を指導して、水公社が住民のニーズに耳を傾け、住民は納得して水道料金を払うという双方向の関係が構築できるよう支援しています。
伊藤大使は、州水公社の給水施設を視察し、同公社のハシム総裁と会談しました。伊藤大使は、公社が住民との対話を繰り返していることを高く評価し、その継続を訴えました。総裁からは、日本政府の支援に感謝するとともに、住民の要望をサービスに反映させていきたい旨、返答がありました。
日本政府は、職業訓練を通じた基礎生活ニーズを支援しており、カッサラ州の州立職業訓練センターに対して、訓練生のための宿舎を建設しました。さらに、日本人専門家を派遣して職員の指導能力強化にあたっています。
同センターで訓練の現場を視察した伊藤大使は、訓練センター卒業生の就職率に注意を払うことが重要であると、学校管理者に伝えました。
水公社総裁と対談する伊藤大使 職業訓練センター寄宿舎入り口
3.平和の定着
日本の国際NGOである「難民を助ける会(以下AAR注1))」が、日本政府からUNMAS注2)に供与された資金を利用して、カッサラ州で地雷回避教育や地雷被害者支援を行っています。伊藤大使は、AARで訓練を受けたスーダン人スタッフが、地域住民に対して地雷回避を教育している現場を視察しました。
地雷原近くの小学校での地雷回避教育
なお、伊藤大使のカッサラ州出張については、Sudan Vision紙(2016年12月3日発行)でも報道されています。
.
注1) 難民を助ける会AAR, Association for Aid and Relief, Japan
注2) UNMAS, United Nations Mine Action Service