伊藤大使の西ダルフール州・東ダルフール州訪問

伊藤大使の西ダルフール州・東ダルフール州訪問


 2016年9月26日から28日まで、伊藤秀樹大使は、西ダルフール州の州都エル・ジェネイナ、東ダルフール州の州都エル・ダイーンを訪問しました。

 西ダルフール州の5カ所の難民キャンプでは、日本政府の拠出金を利用した食料支援事業であるFood for Assetが、WFP(国際連合世界食糧計画)によって実施されています。今回は、そのうち、エル・ジェネイナにあるDorti国内避難民キャンプとJamma国内避難民キャンプを視察しました。
 この事業では、食料を無条件に配布するのではなく、裨益者の労働を条件としていることが特徴で、住民の自立促進の要素を含んでいます。住民が、家庭菜園、クッキー製造、裁縫、手工芸品製作などを行い、その対価としてWFPから食料配給券を取得し、穀物、豆、砂糖、塩などの食料と交換します。
 この事業により、地域住民が摂取するカロリーが増加し、食料の種類も豊富になった他、調味料まで受け取ることが可能になりました。また、裨益者は、自分たちの生産活動によって、技術が身についただけでなく、現金収入を得て、子どもたちの学費を払えるようになった事などを感謝するとともに、より多くの人たちに裨益するよう、今後も活動を発展させて欲しい旨、伊藤大使に語りました。

      

                   バウチャーの配布                            食料交換所の様子


 エル・ジェネイナ郊外では、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)を通じてAdar村に建設した多目的コミュニティセンターの引渡式式典に出席しました。本センターは、村民、難民、帰還民、周辺の遊牧民らに対する共同スペースであり、利用者からは「平和センター」と呼ばれています。異なる背景をもった様々な人々に対して開かれた施設として、相互理解、社会的連帯、平和的共存が促進することが期待されています。
 式典では、ユーセフ・アッバカル村長ら要人が挨拶し、ダルフールをはじめとするスーダンへの日本の支援に対して、謝意が表明されました。
 これに対して伊藤大使は、エル・ジェネイナの治安がさらに回復し、ダルフールの人々が平和的に生活を営んでいくことを切に希望しており、今後も開発支援を続けていく旨、伝えました。

      

                  伊藤大使によるスピーチ                         施設内部の様子


 また、エル・ジェネイナおよび東ダルフール州州都エル・ダイーンでは、UNOPS(国連プロジェクト・サービス機関)を通じて建設・修復した給水施設を視察しました。
 ダルフール地方では、特に乾期には水の入手が非常に困難となりますが、西ダルフール州には給水所を建設し、東ダルフール州では老朽化した既存の給水所を修復したことで、それぞれ2万人と5万人の地域住民に安全な水を供給できるようになりました。
 ダルフール地方では、日本の水支援は有名で、子どもたちにすら知られています。視察先では、裨益者が伊藤大使一行を歓迎し、地方議会議員らから感謝の意が伝えられました。