スーダン医療情報

スーダンでの生活、旅行を大いに楽しんでいただくために健康管理上必要と思われることをまとめました。十分な睡眠と栄養に加え、適度な運動を行うことはスーダンに限らずどの国にいても同じですが、これに加え、スーダンでは各種ワクチン接種、マラリアの予防、HIV/AIDSをはじめとする性行為感染症の予防、精神的ストレスのコントロール、熱中症対策、及び交通事故から身を守るための対策などが必要と思われます。

スーダンにおいて罹りやすい疾患とその対策

(1) 頻度の高い疾患及び日常生活において健康上心がける事

頻度の高い疾患
1.感染症: 上気道炎(鼻炎症状)、結膜炎(眼の痛み)、腸管感染症(下痢)、マラリア(高熱)、腸チフス(高熱)、A型肝炎(全身倦怠感、眼球黄染)
2.感染症以外: 熱中症(発熱、けいれん)、尿路結石、交通外傷、精神疾患(適応障害、抑うつ状態)

日常生活において健康上心がける事
a) 上気道炎・結膜炎等の眼科疾患:砂嵐、乾燥気候などの影響で上気道や結膜が乾燥し、上気道炎、結膜炎に罹患するものが多いので、飲料水を常に持参し、水分補給を心がけて下さい。またトローチ摂取、うがい、マスク着用も上気道炎予防に有効です。普段コンタクトレンズを使用している方は、眼鏡の持参も忘れないで下さい。また角膜保護のためのサングラス、砂嵐対策として防塵眼鏡(花粉対策用など)なども有用です。

b) 腸管感染症(下痢):下痢を防ぐには飲料水や食事に対する注意が必要です。水道水には大腸菌の混入が認められるため、市販のミネラルウォーターもしくは水道水を浄水器で濾過した上、煮沸したものを飲料水に利用下さい。また、食事はよく加熱されたものを暖かいうちに食べることが重要です。果物、野菜は皮を剥けば安心です。葉物野菜を生で食べる場合は、よく洗浄する必要があります。

c) 熱中症:日差しが強く、高温、低湿度のため、脱水に陥りやすい。特に、スポーツの際や下痢症状が持続する場合は十分な水分(塩分を含む)の摂取を心がけて下さい。スポーツドリンクは吸収が良いため、利用されると良いです。

d) 交通外傷:スーダン国内での運転者の交通マナーは悪く、また路面の管理不良、人々の路上横断、故障車の路上放置等が見られるため、各自が運転の際は十分な注意が必要です。また、信号無視などをする車が多いため、路上横断の際は注意して下さい。タクシー等に乗車する際は、助手席を避けた方が無難です。また、バイクタクシーは転倒等の事故が多いため、可能な限り使用は避けて下さい。

e) 精神疾患:当地では慣れない生活環境(気候面、治安面、環境面等)に加え、娯楽が乏しく、宗教上の理由により酒類の輸入が禁じられている等の各種制限もあり、赴任後数ヶ月の時点で精神的に落ち込む事が多いと思われます。規則的な生活、定期的な運動等を通じストレスを軽減することが重要です。

(2)スーダンでかかる可能性のある感染性疾患
下記のように様々な熱帯感染症に罹患する危険がありますが、その感染経路はわずか5 経路のみ(虫を介して、口から、空気を介して、皮膚を介して、性行為)です。感染経路ごとに当地にて罹患する可能性のある感染性疾患を列挙しました。

1.虫を介して感染(蚊、アブ、スナバエ): マラリア、黄熱、デング熱、河川盲目症、リーシュマニア症、アフリカ睡眠病
2.経口感染(食事、水) :腸管感染症(大腸菌、細菌性赤痢、アメーバ性赤痢、コレラ、その他の細菌感染症)、腸チフス、A型肝炎、寄生虫感染
3.空気感染 : 髄膜炎菌性髄膜炎、結核
4.経皮感染 : 破傷風、住血吸虫(淡水)、レプトスピラ症(淡水)、砂ノミ症(砂地)、蝿幼虫症、毒蛇咬傷、狂犬病
5.性行為感染症 : HIV/AIDS, 梅毒、B型肝炎、毛ジラミ、尿道炎・膣炎

当地での感染性疾患の中でマラリア、髄膜炎菌性髄膜炎、住血吸虫症が重要ですので、それらの疾患に関し、簡単に説明します。

a) マラリアは首都ハルツームを含むスーダン国内全土で見られ、未治療では5 日で半分近くが死亡する原虫性感染症です。蚊(ハマダラカ)を介して感染し、自覚症状は突然の発熱のみである事が多いです。発熱の際は常にマラリア罹患を念頭に置いて、マラリア検査(血液検査)を行う必要があります。対策方法は下記に記載してありますので、一読下さい。

b) 髄膜炎菌性髄膜炎は、発症頻度は少ないものの、症状が激烈で急速に進展することがあり、危険な細菌性感染症の1つです。スーダンではこの疾患の流行が8~10 年毎に見られます。感染者の唾液の飛沫から経気道感染を起こし、成人、小児の間で大流行を引き起こします。症状は、高熱、全身の発疹、髄膜炎症状(意識障害、頭痛、嘔気・嘔吐など)です。抗生剤点滴が有効で、マラリア同様、早期診断、早期治療が大切です。予防はワクチン(髄膜炎菌4 価ワクチン ACYW135)の接種です。

c) 住血吸虫はナイル川水系で依然として猛威をふるっている寄生虫感染症です。寄生虫で汚染された淡水(川やダムなど)に浸かった際に健常皮膚を介して感染が成立します。また魚釣りや海洋レジャー(ジェットスキー、ヨット等)での感染の可能性もあります。重度の感染で、血尿、血便などの症状が出現し、長期間の感染で膀胱ガンや肝硬変と成り得ます。予防対策は淡水に直接皮膚が触れない様にすることです。

(3)具体的な予防対策
予防対策としては、感染経路を考え、自己防衛することが重要です。よって、虫に対する対策(昆虫忌避剤・蚊帳の使用)、食事・水に対する対策、手洗いをよく行うこと、長袖・長ズボン・靴を履く、淡水中で泳がない・素足で入らない、不特定多数との性行為を避けることにより感染症を予防することができます。また、ワクチンで予防できる疾患に関しては、できる限り受けておくことです。ただし、ワクチンは、1度受ければ永続的に有効なわけではありませんので、有効期間を考慮し、必要なら追加接種を考えることが大切です。また、これらの疾患は、抵抗力が低下した際に発症することが多いため、十分な睡眠・栄養は大切です。よって、感染症対策に関しては、以下の4項目が重要です。
  • 感染経路を考え、自己防衛
  • 衛生管理(水、食事、手洗い・うがい)
  • 予防接種
  • 十分な睡眠、栄養
以下に具体的な予防対策を列挙します。

a) マラリアに対する対策
虫を介する感染症で最も注意したいのがマラリアです。ハルツームを含むスーダン全域において、マラリア感染の危険があります。予防には、蚊に刺されないようにすることが重要です。マラリア原虫はハマダラカによって媒介されるのですが、この蚊が活動するのは日没から夜明けまでですので、夜間の外出を避ける、長袖・長ズボンを着る、蚊帳、昆虫忌避剤、蚊取り線香を使用することなどで予防をすることができます。また、予防薬としては、アトバコン+プログアニル、メフロキン、ドキシサイクリン、プログアニル+クロロキンなどがあります。しかし、いずれも100%予防が可能なわけではなく、副作用もありますので注意が必要です。マラリアには、熱帯熱マラリア・三日熱マラリア・四日熱マラリア・卵形マラリアの4 種類がありますが、当地では多くが熱帯熱マラリア(悪性マラリア)です。これは、いかにはやく治療を開始するかが生死の分かれ目となり、5 日目までに治療が開始されないと50%の確率で死亡するといわれています。マラリアによる死亡のほとんどは、迅速かつ正確な診断の欠如に因りますので、発熱時には、マラリア感染症の可能性を考え、早急に最寄りの病院、診療所を受診して下さい。

b) 食事・水に対する対策
飲料水:水道水は濁っており、細菌、寄生虫、ウイルスで汚染されている可能性がありますので、必ず、濾水器を通した水を煮沸滅菌して飲用に供します。15分間の煮沸でほぼ十分です。ミネラルウォーターが市販されている場合はそれを用いることをお勧めします。ただし、自分で封をきることを確認して下さい。ガス入りの飲料水は安全です。また、レストランの氷は水道水から作られていることも多いため、氷の使用は避けることをお勧めします。

果物、野菜:市場、スーパーマーケットなどで買う果物や野菜は細菌、寄生虫、ウイルスで汚染されていたり、殺虫剤が残っている可能性があります。 前処理として、水道水で汚れを良く取り除くこと・消毒液(約4L の蒸留水に、5%のchlorine を含んだ家庭用漂白剤を小さじ1 杯いれる。)に15 分以上ひたすこと・清潔な水で良く洗い流すことを勧めます。しかし葉野菜、カリフラワー、ブロッコリーなどの表面のでこぼこしたものは完全に消毒することや消毒薬の除去が難しいので、生で食べるのはさけた方が無難です。バナナや柑橘類のように厚い皮に覆われている果実は、清潔な水で洗い、自分で皮をむいて食べる限り安全です。

肉及び魚貝類:火が良く通っていることを確認して下さい。生や加熱不十分の肉は寄生虫疾患(旋毛虫症・条虫症)、生の魚介類は食中毒やA 型肝炎、生の淡水魚は各種寄生虫症の原因となります。冷蔵や冷凍では、細菌やウイルスは死滅しませんので注意して下さい。

卵、乳製品:サルモネラ感染症を予防するために、卵は、石けんと水で良く洗ってから殻を割って下さい。卵と一緒に調理されるものは、すべて火を通して下さい。乳製品は、低温殺菌、高温殺菌されたものを購入されることをお薦めします。

c) 熱中症、発熱、下痢時の水分補給
熱中症は高温多湿の環境で長時間働くと起きます。体内の余分な熱を放散することができないために生じる状態で、高体温、意識の混濁、筋肉のけいれんを伴います。対応が悪いと生命にかかわる危険もあります。脱水症状が原因で起こりますので、汗として身体から出る水分と塩分を、たびたび補い予防することが大切です。塩分や糖分を含んだスポーツドリンクは、吸収もよく最適です。スポーツドリンクが無い場合は、下記飲料水を作成し、十分な尿量がでるまで飲んで下さい。汗をたくさんかいてから飲むのは賢い方法ではなく、少し汗をかいたところで飲むようにすることがこつです。また、下痢の場合の脱水は、水とともに体内から失われる無機塩類の量は、発汗で失われるものよりはるかに多いので、これを補給するためには、発汗したときに飲む液より、種類も量も多くなります。この目的で使われるのが、下痢用経口補液(Oral Rehydration Solution; ORS)です。この経口補液の粉末(ORS)は、薬局で入手できますので、水に溶解し飲用下さい。尚、簡易的なスポーツドリンクの作成方法を以下に示します。

発熱や汗をかいたときに飲む飲料水:1リットルの水に食塩1g(親指と他の指の2本でひとつまみ)、砂糖40g(片手で小さくひとつかみ)をよく溶かしたもの。これに、果汁を入れると電解質(特にカリウム)やビタミンの補充も出来ます。

d) 狂犬病
動物に咬まれる事により唾液の中にいたウイルスが感染し病気が起こります。犬だけではなく、猫、コウモリ、スカンク、狐などに咬まれても起こります。狂犬病は100%致死ですので、予防が重要です。動物に不用意に近づかないようにし、動物に接する機会の多い人や咬まれた時に良いワクチンの得られない地方に住まれる方は予防接種を受けることを勧めます。ただし、咬まれてからでも潜伏期間が比較的長いので、発症を防ぐためにいろいろな事ができます。咬まれた場合は、傷口を石鹸ときれいな水で15 分間よく洗い(石鹸でウイルスが失活します)、消毒します。そして必ず病院を受診し、狂犬病ワクチン接種、免疫血清の局所注射・筋肉注射を受けて下さい。狂犬病に罹患した犬は7 日以内に死ぬことが多く、10 日経過しても健康であれば、その犬は狂犬病ではありません。

現地の医療機関

(1) 現地病院の医療水準
スーダン全体、特に地方都市において、医師不足、医療従事者不足、医療機器メンテナンス不良等により、信頼の出来る病院は少ない。他方、首都ハルツーム市においては、現地富裕層や外交団向けの私立病院や歯科医院が数件あり、緊急時等の受診の際に利用可能で、それらの病院では英語での受診が可能です。それらの病院では最新の医療設備を有した救急救命室での専門医の受診が可能です(24 時間対応)。成人或いは小児が遭遇するあらゆる軽症~中等症の初期診断・治療に問題はありません。脳神経外科や心臓外科等の高度医療は行っていませんが、必要に応じて緊急移送の手配を行ってもらえます。また、各病院には輸血バンクが存在しますが、そこに保存されている血液製剤の安全性に問題がある可能性が高く、必要時以外の輸血は避けて下さい。尚、スーダンの国立病院は医療費等の必要経費は安いですが、設備不良や混雑のため、利用されないことをお勧め致します。

(2)現地医療機関案内
ハルツーム市内の病院、歯科医院リスト(本ページトップからダウンロードできる地図で所在地をご確認下さい)

a) 私立総合病院

病院名 代表電話番号 救急車電話番号
Royal Care International Hospital 0156550150 同左
Al-Zaytona Hospital 0183745444 0183745000
0183745999
Fedail Medical Center 0183766661 0912500500
0122222555
Al-Faisal Specialized Hospital 0183789555 0912444000
Doctor’s clinic 0183471973 0183475374
Yastabshroon Medical Center 0183237804
0183237805
 

b) 私立専門病院

Sudan Eye Center(眼科) 0120889883
0155886088

c) 歯科医院

DaVinci Dental Center 0183469582
Morsi Medical Center Oral &
Dental Surgery
0155154154
Royal Care International Hospital 0156550150


各病院の情報

a) Royal Care International Hospital

平成22 年7 月に開院した150 床の私立総合病院。平成25 年現在、衛生面、診断・治療面においてスーダン国内でもっとも信頼できる病院であり、軽症~重症まであらゆる疾患で第一選択の病院である。診察料等は他の医療機関より高いが、待ち時間が少ない。
精神科以外のすべての診療科を有する(一般内科、循環器内科、消化器内科、神経内科、一般外科、心臓外科、泌尿器科、脳神経外科、整形外科、小児科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、放射線科、麻酔科、歯科)。112 名の専門医(内82 名が非常勤)が在籍している。専門医或いは歯科受診は予約が必要。手術室、救急救命室、集中治療室、検査室、レントゲン撮影室(CT 装置1 台、MRI 装置1 台)、血液透析室、薬局が有る。金曜日のみ休業で、その他の曜日は8:00AM~11:00PM まで外来を受け付けている。救急救命室は24時間受付で、予約無しで受診可能。救急車保有。

b) Al-Zaytona Hospital
平成24 年開業の全48 床の私立総合病院。非常に清潔で、設備も充実している。血管造影室があり、心疾患などの際に有用である。
専門医30 名程度が在籍し、歯科と脳神経外科以外の診療科(内科、外科、整形外科、泌尿器科、小児科、産婦人科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科)を有する。専門医を受診の際は予約が必要。手術室は計5 部屋で、一般手術用3 部屋、腎移植専用の手術室1 部屋、帝王切開用の手術室1 部屋。脳神経外科、心臓開胸手術以外のすべての手術を行っている。また、開院以来、70 例の腎移植も行っている。血管造影室も1 室あり、心臓カテーテル検査、冠動脈治療(バルーン治療&Stent 術)を行っている。その他にCT 装置、MRI 装置、超音波検査装置、内視鏡検査がある。出産分娩室には新生児集中治療室が併設されている。集中治療室は全4 床、心疾患治療室は全4 床でいずれも十分な設備を有する。救急救命室は全4床で、24 時間受付で、また予約無しで受診可能である。救急車2 台保有。

c) Fedail Medical Center
通称ホスピタル通りにある全170 床の私立総合病院。ドクターカーを保有しており、また救急救命室は非常に充実しており、また内視鏡検査室や手術室は救急対応を行っており、緊急消化器疾患や様々な緊急手術を要する際に有用である。
歯科、脳神経外科、心臓外科以外の診療科(内科、血液内科、外科、整形外科、美容外科、小児科、産婦人科、眼科、皮膚科、耳鼻咽喉科)を有する。72 名の専門医と9 名の一般内科医が診療にあたっており、専門医受診の際には予約が必要。手術室は計4 室有り、緊急手術も行う。また腹腔鏡を使った手術も積極的に行っている。集中治療室7 床、内視鏡室(あらゆる緊急処置に対応可能)、分娩室(新生児保育器5 台保有)、血液透析室(透析装置10 台保有)、放射線治療室があるが、血管造影室はない。CT 装置、MRI 装置、超音波検査装置有り。救急救命室は全6 床で、医師2 名、看護師2 名、看護助手2 名が常駐しており、24 時間受け付けており、予約無しで受診可能。救急車2 台を保有し、内1 台はドクターカーで、医師1 名、看護師1 名が同乗し、救急救命に必要な医薬品や医療機材も搭載されている。

d) Al-Fasal Specialized Hospital
通称ホスピタル通りにある古くからある全35 床の私立総合病院。やや設備は古く、外来は患者であふれている。
常勤専門医は20 名程度で、あらゆる診療科(内科、循環器内科、外科、脳神経外科、整形外科、小児科、産婦人科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科、美容外科)を有する。手術室は2室で一般外科、心臓外科、脳神経外科、美容外科などあらゆる手術を行っている。血管造影室も1 室あり、心臓カテーテル検査、冠動脈バルーン治療(PCI)を行っている。その他にCT 装置、超音波検査装置、内視鏡検査があるが、MRI 装置は無い。集中治療室は全6 床で十分な設備を整え、救急救命室は全3 床である。救急外来は24 時間受付で、予約無しで受診可能。救急車2 台保有。

e) Doctors’ clinic
平成7 年開業の古くから信頼のある全30 床の私立総合病院。やや設備は古く、外来は患者であふれている。ただし、歴史のある病院でも有り、また過去に鳥インフルエンザ疑い患者に対応の経験があり、感染患者の対応に慣れている。
あらゆる診療科(内科、循環器内科、血液内科、感染症科、外科、外傷部門、整形外科、血管外科、泌尿器科、麻酔科、小児科、産婦人科、眼科、皮膚科、耳鼻咽喉科、歯科)を有しており、各診療科に2 名の専門医が在籍する。専門科を受診の際は予約が必要。手術室は計3 室で1 日15 例程度の手術を行っており、緊急手術も対応可能である。腹腔鏡手術も行っている。集中治療室は全6 床で、新生児用保育器を1 台保有。救急救命室は全3 床で24 時間受け付けており、予約無しで直接受診可能。超音波検査、CT 装置、MRI 装置有り。救急車2 台保有。

f) Yastabshroon Medical Center
リヤドにある古くからある全40 床の私立総合病院。院内のすべての表示がアラビア語表記であり、アラビア語が読めない者にはやや勝手が悪い。ただし、信頼の置けるAl Zaytouna Specialist Hospital と経営母体が同じであるため、お互いの行き来が可能である。
専門医は30 名以上在籍し、あらゆる科の診療を行う。手術室は計4 室あり、一般手術用2室で、産科用2 室である。集中治療室(全4 床)、救急救命室、内視鏡検査室、CT 装置1台、MRI 装置2 台、超音波検査室、血液透析室があるが、血管造影室はない。救急救命室は24 時間受け付けており、予約無しでの受診可能。救急車2 台保有。

g) Sudan Eye Center
平成24 年に現在の位置に移ってきた眼科専門私立病院。21 人の眼科専門医が10 外来を担当している。眼科専門病院で有り、様々な対応が可能である。しかし、外来は非常に混雑している。時間外診療や入院設備はない。
眼科外来には、視力測定器、眼圧測定器、細隙灯ランプなど数多くの検査機器が取りそろえられている。手術室は計4 室。術後の経過観察用ベッドは4 床あるが、入院用病室はない。YAG レーザー、アルゴンレーザー機器を保有しており、糖尿病性網膜症にも対応可能である。診察時間は、8:30AM~2:30PM、5:00PM~11:00PM(日曜日から木曜日)。受付にて登録後に順次診療を受けることになる。

各歯科医院の情報

 a) DaVinci Dental Center
ハルツームとオムドゥルマンに歯科診療所を2 カ所保有している。ハルツームオフィスは当地ドイツ大使館館員も利用している。多くの専門医が所属し、様々な歯科疾患に対応可能である。14 名の専門医が在籍し、保存治療(虫歯の治療)、小児歯科、矯正歯科、補綴歯科、美容歯科、インプラント、歯周病の専門治療を行っている。診察時間は、10:00AM から10:00PM(土曜日から木曜日)。要予約。

b) Morsi Medical Center Oral & Dental Surgery
常勤医3 名と非常勤医師数名で診療を行う歯科クリニック。英国大使館館員、米国大使館開院が利用している。非常に親切な院長がおり、ここで治療が難しい場合も紹介して下さる。計3 室の治療室があり、虫歯の治療以外に、矯正歯科、インプラント、小児歯科等も行っている。診察時間は、10:00Am~3:00PM、7:00PM~10:00PM(日曜日から木曜日)。要予約。

(3) 現地医療機関へのかかり方

a) 上記のいずれの病院も信頼できる医師、医療設備、衛生概念を有しており、外来、入院とも利用頂けます。また、緊急移送が必要な際は、上記どの病院も保険会社と交渉の上、スムーズに行って頂けます。救急救命室、一般外来とも予約無しで随時受診可能です。ただし、歯科受診、専門医受診の際は、予約が必要です(女性医師を希望の際は、予約の際に受付に伝えて下さい)。受付時間はどの病院も午前8 時~午後2 時前後、午後4 時~午後10 時前後ですが、各専門医の在籍時間は異なりますので、御注意下さい。救急救命室は24 時間運営しており、あらゆる疾患に対応してくれます。尚、医師とは英語で会話が可能です。看護師はフィリピン人である事が多く、英語での意思疎通が可能である事が多いです。病院での受診の際の医療費は、現金前払い(スーダンポンドのみ)が原則です。

b) 緊急医療体制
公的な救急車は存在します(番号333)が、実際は機能していません。他方、各私立病院は自前の救急車を保有し、救急搬送サービスを提供しています。ただし、事故現場等の場所を電話で正確に伝えることは困難であり、その場合は現地の方を介して連絡をする方法もあります。また、救急車は出払っていることも多いため、各自で車等を手配し、病院に直行される方が確実です。

c) 医療費
各病院とも医療費(診察料、治療費、検査代、レントゲン撮影費等)は、現金前払い(スーダンポンドのみ)となっています。通常、手術のいらない軽症~中等症の疾患にて救急救命室受診或いは専門医受診で1,000SDG 程度が請求されます。虫歯にて歯科受診の際は、500~1,000SDG 請求されます。

持参した方が良い医薬品及び必要な予防接種

(1) 日本より持参した方が良い医薬品類
現地で購入できる医薬品の種類は限られており、また輸入医薬品の価格は非常に高いです。また購入の際には、現地医師の発行する処方箋が必要です。よって、整腸剤、ビタミン剤、虫除けスプレー等の常用薬は持参することをお勧めします。また、皮膚乾燥、ドライアイ対策のためのボディーローション、目薬や熱中症対策としてスポーツドリンク粉末を持参されることをお勧めします。

(2) 必要な予防接種
成人:黄熱、破傷風、A 型肝炎、B 型肝炎、髄膜炎菌性髄膜炎(4 価ワクチンACYW135を推奨します)、腸チフス、インフルエンザウイルス。また、地方に行かれる場合は、ポリオ不活化ワクチン、コレラ経口ワクチンの接種も検討下さい。

小児:黄熱、3 種混合(破傷風、ジフテリア、百日咳)、BCG、ポリオ、A 型肝炎、B 型肝炎、麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、水痘、髄膜炎(髄膜炎菌4 価、肺炎球菌、インフルエンザ桿菌)、狂犬病、腸チフス、インフルエンザウイルス

注意点:いずれのワクチンも当地で信頼の出来るものが入手出来ませんので、渡航・赴任前に主治医と相談の上、必要なワクチンの接種を済ませておいて下さい。

(3) 黄熱ワクチンについて
スーダンは黄熱感染リスク国です。当国への渡航・滞在予定がある方は,必ず,入国する10 日以上前に黄熱ワクチン接種を受け,黄熱予防接種証明書(イエローカード)を携行して下さい。また,すでにイエローカードをお持ちの場合でも,有効期限をご確認下さい。当国内では首都ハルツームにある下記施設にて黄熱ワクチン接種が可能ですが、ワクチンの在庫がないことが多く、接種が受けられない可能性もありますので、 必ず当国に入国前に接種を済ませて頂きますようお願い致します。

 The Medical Commission
 Address: Suq Arabi, west of Comboni School, Khartoum
 Tel: +249-(0)183793217 or(0)183793218
 接種料金(イエローカード発行代を含む)約90 スーダンポンド

~黄熱について~
a) 黄熱は黄熱ウイルスを保有する蚊(ネッタイシマカ)に刺されることにより感染します。3-6 日の潜伏期間後に39 度台の発熱と頭痛で発症し,黄疸(肝臓障害),タンパク尿(腎臓障害),皮膚・粘膜の出血症状を伴います。軽症の場合は,発症後7-8 日で軽快しますが,重症の場合は死に至る場合もあります。治療薬はなく,対症療法が主となります。黄熱ワクチン未接種者の死亡率は50%以上です。なお,ヒトからヒトへの感染はありません。

b) 黄熱ワクチンの予防効果はほぼ100%ですので,流行地に渡航,滞在される予定の方は,黄熱ワクチンの接種を必ず受けるようにしてください。1 回の接種で,接種後10 日以降10 年間有効です。

c) ネッタイシマカは昼間に吸血することが多いので,外出の際には虫除け剤をつけ,肌を露出しない服装(長袖,長ズボン,靴の着用)を心がけてください。蚊取り線香なども有効です。発熱などの症状が出ましたら,速やかに現地医療機関を受診下さい。

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