服部大使 着任挨拶

令和2年8月9日
服部大使 着任挨拶

皆様、はじめまして。
 
このたび、駐スーダン日本国大使として着任しました服部孝と申します。世界遺産にも登録された古代文明の遺跡群を擁するこのスーダンにおいて、ホスピタリティーで有名なスーダンの人々に囲まれながら、ナイル川の2つの支流が交わる首都ハルツームで駐スーダン大使として働けることを嬉しく思っております。どうかよろしくお願い申し上げます。

私は民間部門の出身であり、これまで42年間にわたってアフリカ・ビジネスに携わって参りました。ケニア(東)、コートジボワール(西)、南アフリカ(南)の3か国に計15年間駐在経験があり、このたび北アフリカに位置するスーダンに着任したことで、一生のうちにアフリカの四大文化圏すべてにおいて勤務する機会に恵まれることとなりました。自身のキャリアの集大成として、この任を全うしたい所存でございます。

2019年はスーダンにとって歴史上大きな転換点となりました。新たな時代を迎えた新生スーダンでは、暫定政府が自由・平和・公正の実現に向けて日々取り組んでいます。日本はスーダンの人々の新しい国造りに向けた決意を支持するとともに、スーダンの友人として、また、国際社会の責任ある一員として、スーダン政府が民政移管を成功裡に成し遂げるため引き続き支援していきます。

我が国はこれまで、(1)平和の定着支援、(2)基礎的生活サービス分野の強化、(3)農業・産業多角化支援を三本柱に、対スーダン支援を展開してきました。この方針を維持しつつ、私の任期においては、今般の新型コロナウイルスの感染拡大、及びスーダン経済の自立性強化に対する緊急の必要性にかんがみ、医療・保健体制の強化や農業支援、人材育成の分野に一層注力したいと考えております。

スーダンの国土面積は日本の5倍にあたり、その約6割が耕作適地と言われるほど豊かな農業資源を有しています。また、人口は4,500万人を超え、若年層がその圧倒的大多数を占めています。このように、スーダンは資源・人材ともに豊富であり、非常に高いポテンシャルを有しています。アフリカ・ビジネスに長年携わった自身の知見を活かし、政府間の関係強化や人的交流の活性化に加え、両国の民間企業間のパートナーシップの構築や事業投資等、日・スーダン関係の更なる発展に寄与すべく精一杯努めて参りたいと考えております。

どうかよろしくお願い申し上げます。
 
2020年8月
駐スーダン日本国大使
服部孝