伊藤大使の中央ダルフール州訪問

伊藤大使の中央ダルフール州訪問


 伊藤秀樹大使は、2017年10月1日から2日にかけて中央ダルフール州を訪問し、国際機関への資金拠出を介した、日本政府による水および青年分野でのダルフール支援の現場を視察しました。なお、日本大使による中央ダルフール州訪問は、2011年に同州が誕生して以降、今回が史上初めてのことになります。

 長らく紛争が続いていたダルフール地方では、近年安定の兆しが見え始め、避難民が帰還するようになっています。ですが、いまだ生活基盤が整っているとは言えず、住民は不安定な生活を強いられています。日本政府は、UNOPS注1)による「ダルフール5州注2)における安全な水供給に係る緊急支援事業」への資金拠出(1,011,000米ドル)を介して、ダルフール地方の住民に、安全で清潔な飲み水を供給できるよう、支援しています。

 伊藤大使は、中央ダルフール州のアズム郡シェリブナ村を訪問し、日本政府からの拠出金によって建設される予定の給水施設の現場を、視察しました。年内の完成を予定しており、地域の村民だけでなく、配水網を通じて、近隣の診療所や学校へも水供給が可能になります。
 また、州都ザリンジにある州水公社を訪問し、日本政府からの拠出金によって供与された職員研修所設備の引渡式にも出席しました。右研修所で施設運営などについて研修を受けることによって、住民に対する給水サービスが向上することが期待されています。

 中央ダルフール州都市計画公益大臣、アズム郡長、シェリブナ村長からは、日本政府による水分野でのインフラ整備や研修支援に対する深謝が表されました。

 伊藤大使は、日本政府からの支援によって、より質の高い給水サービスが提供され、飲み水の安全な利用が可能になるとともに、日本からの贈り物としてスーダン人の記憶に長く残ることを願っている旨、伝えました。

        

                    伊藤大使と住民たち                      供与された水公社研修所設備


 ダルフール地方の若者は、紛争によって、教育や就業の機会を奪われてきました。彼らを、犯罪や暴力に荷担させるのではなく、開発や平和構築の担い手として成長させることは、地域の安定化にとって非常に大切です。日本政府は、UNDP注3)による「ダルフールでの平和と復興を支える若者ボランティア・プロジェクト」への資金拠出(740,500米ドル)を介して、ダルフール地方の平和定着を支援しています。

 本事業では、ダルフール5州から90人の若者を選出して、4週間にわたってビジネスや環境に関する研修を行います。その後、ボランティアとしてダルフール内の地区コミュニティに9ヵ月間派遣し、研修で培ったスキルを、地域の貧困削減や生計向上、平和構築のために還元することが期待されています。

 伊藤大使の訪問に合わせて、事業関係者や若者ボランティアが一堂に会し、活動内容が報告されました。中央ダルフール州青年スポーツ大臣からは、本事業が、ダルフール地域の若者に雇用機会を与えることで地域の安定化に貢献しており、日本の支援に対して感謝する旨、伝えられました。

 伊藤大使は、地域の復興に尽力する若者ボランティアを賞賛して激励するとともに、日本政府はスーダンとともに歩み、その努力を支援し続けて行きたい旨、伝えました。

        

                   スピーチを行う伊藤大使                    活動内容を報告する卒業生たち


 ダルフール地方における日本政府の支援によって、水をはじめとする基礎生活が整備され、また紛争被災民の経済的自立が促進し、平和が実現することが期待されています。

 なお、伊藤大使による中央ダルフール州訪問については、Sudan Vision(2017年10月2日発行)、Al Saiha紙(2017年10月2日発行)、Al Watan紙(2017年10月4日発行)、Sudan Vision(2017年10月5日発行)など、当地新聞で報道されています。また、UNDPのfacebookでも閲覧することができます。
                                                                                         .
 注1) UNOPS, United Nations Office for Project Services 国連プロジェクト・サービス機関
 注2) 中央ダルフール州、東ダルフール州、西ダルフール州、南ダルフール州、北ダルフール州の5州
 注3) UNDP, United Nations Development Programme 国際連合開発計画